*おに【鬼】
[一](名)
①死者のたましい。霊魂。ghost〈用例〉護国の〜。
②妖怪(ようかい)の一種。人に似ているが、角と牙(きば)をもち、怪力で荒々しいものと信じられた。ogre
③無慈悲な人。冷酷な人。devil of a man〈用例〉渡る世間に〜はなし。
④人間的な感情を殺すこと。非情。〈用例〉心を〜にする。
⑤仕事などの目的の達成のために、常人には考えられない努力や集中力を見せる人。hard-working, unrelenting person〈用例〉土俵の〜。
⑥鬼ごっこなどの遊びで、つかまえるほうの役。tagger; it
[二](接頭)勇ましい、強い、こわい、大きいなどの意を表す。〈用例〉〜ばばあ。〜軍曹。〜瓦(がわら)。〜あざみ。
鬼が住むか蛇が住むか(おにがすむかじゃがすむか)
人の心のうちがよくわからないことにいう。
鬼が出るか蛇が出るか(おにがでるかじゃがでるか)
次にはどんな恐ろしいことが起こるかわからない。予想のつかないことのたとえ。からくり人形の使い手の口上から出たもので、人の興味をそそろうとするときにいうことが多い。God only knows what may happen.
鬼が出るか仏が出るか(おにがでるかほとけがでるか)
将来の予測はしがたいということ。God only knows what may happen.
鬼が笑う(おにがわらう)
→来年の事を言うと鬼が笑う」の上略。
鬼とも組みそう(おにともくみそう)
①強そうで、元気に見えるさま。
②強いだけで人情を解しないように見えるさま。無慈悲に見えるさま。
鬼に金棒(おににかなぼう)
ただでさえ強いものに、さらに強みが加わること。たいへん強いことにいう。double advantage〈類似〉虎(とら)に翼。
鬼に衣(おににころも)
表面はふつうの人間のように見えても、内心は恐ろしいこと。
鬼の居ぬ間に洗濯(おにのいぬまにせんたく)
気づまりな人がいないうちに、のびのびすること。When the cat's away, the mice will play.
鬼の霍乱(おにのかくらん)
病気をしたこともない達者な人が、病気をしたときのたとえ。sickness of a stout man
鬼の首を取った様(おにのくびをとったよう)
この上もない手がらを立てたような喜び方。
鬼の空念仏(おにのそらねんぶつ)
無慈悲な者が、うわべだけ情け深く装うこと。
鬼の目にも涙(おにのめにもなみだ)
無慈悲な人も、時には人の真情に打たれることがあるということ。
鬼は外、福は内(おにはそと、ふくはうち)
《節分の夜、豆まきをするときにいうことば》鬼は出て行け、福は入ってこい。福は内、鬼は外。
鬼も十八、番茶も出花(おにもじゅうはち、ばんちゃもでばな)
鬼でも年ごろは美しく、番茶でもいれたてはおいしいように、どんな女性も年ごろにはそれ相応に美しいものだ。娘十八、番茶も出花。Everything is good in its season.
鬼を欺く(おにをあざむく)
その強さ・容貌(ようぼう)が鬼とまちがえるほどだ。
鬼を酢にして食う(おにをすにしてくう)
恐ろしいものを少しも気にしないことのたとえ。
おに‐あざみ【鬼薊】
キク科の多年草。アザミの一種。中部以北のおもに日本海側の山地にはえる。高さ1m以上になり、径3cm前後の紅紫色の頭花をつける。
おに‐あさり【鬼浅蜊】
潮間帯の砂礫(されき)泥底にすむマルスダレガイ科のニマイガイ。殻長約5cm、殻高約4.5cm。ほぼ卵形で、よく膨らむ。灰褐色の殻表は、放射状に走る太い凸状のすじと成長脈とが交差するため布目状を呈する。食用。北海道南部以南、朝鮮半島・中国に分布。
お‐にい‐さん【お兄さん】
「兄さん」を丁寧にいった語。さらに丁寧にいえば「お兄様」。elder brother
オニール【Eugene Gladstone O'Neill】
(1888-1953)現代アメリカ演劇隆盛の基礎をつくった劇作家。1936年ノーベル文学賞受賞。戯曲『楡(にれ)の木陰の欲情』『喪服の似合うエレクトラ』『夜への長い旅』など。
おに‐うち【鬼打(ち)】
→おにやらい(鬼遣)
おにうち‐まめ【鬼打(ち)豆】
節分などの鬼やらいのとき、悪鬼を追い払うためにまく炒(い)り大豆(だいず)
おに‐おこぜ【鬼魚】
俗にオコゼともいうカサゴ科の海水魚。全長約20cm。浅い所のものは暗茶褐色、深い所のものは赤か黄色。背びれのとげに毒がある。沿岸から深海にかけての底層にすむ。美味。本州中部から南シナ海に分布。scorpion fish
おに‐おしだし【鬼押出】
群馬県嬬恋(つまごい)村、浅間(あさま)山の北斜面にある安山岩質の溶岩流。天明(てんめい)3年(1783)の噴火によってできたもの。
オニオン【onion】
タマネギ。
オニオン‐グラタン【onion gratin】
タマネギを使ったスープ。タマネギをあめ色にいため、ブイヨンを加える。薄切りのトーストとチーズをのせ、オーブンで焼きつける。オニオンスープ。
おに‐が‐しま【鬼ケ島】
伝承に登場する鬼が住むとされている空想上の島。『一寸法師』や『桃太郎』の鬼退治などに登場する。
おに‐が‐じょう【鬼ケ城】
三重県南部、熊野(くまの)市にある海岸。外海の激しい波食を受けて海食崖(かいしょくがい)・海食洞が発達。
おに‐かます【鬼かます】
暖海に多い大形のカマス。全長約1.8m。背面は青灰色、腹面は銀白色。本種の大形のものには毒があり、食べると中毒をおこすので、ドクカマスの別名がある。世界の熱帯・亜熱帯海域に広く分布。great barracuda
おに‐がみ【鬼神】
乱暴で恐ろしい神。きじん。
おにがら‐やき【鬼殻焼(き)】
伊勢(いせ)えび・車えびなどを殻つきのまま焼いた料理。しょうゆとみりんでつくったたれを塗って照り焼きにする。
おに‐がわら【鬼瓦】
[一]
①屋根の棟(むね)の両はしに置く大きなかわら。鬼面の形をしたものが多い。室町時代以後、それまで平面だったものが立体的になった。
②妻を悪くいう語。
[二]狂言の曲名。田舎大名が鬼瓦を見て女房を思い泣きだすが、慰められて笑う。
鬼瓦にも化粧(おにがわらにもけしょう)
醜い女でも、化粧しだいで美しくみえる。〈類似〉馬子にも衣装。
おに‐ぎ【鬼木・新木】
正月に門口などに立てる木。割り木にして用いる年木の一種で、正月用の薪(まき)
お‐にぎり【御握り】
《「握り飯」の丁寧語》ご飯を握って丸や三角などに形作ったもの。中に梅干しや香の物などを入れる。また、海苔(のり)などで巻いたりする。おむすび。rice ball
お‐にく【御肉】
ハマウツボ科の一年草。高山のミヤマハンノキの根に寄生。高さ20〜30cm。葉は鱗片(りんぺん)葉で黄褐色。夏に、暗紫色の花を穂状に密生。強壮薬に利用。キムラタケ。
おに‐くさ【鬼草】
紅藻類テングサ科の海藻。平たい線状の体は暗紅色で、分枝する。寒天の原料。本州中部以南に分布。
おに‐ぐも【鬼蛛】
コガネグモ科のクモ。体長は、雄約1.5cm、雌約3cm。黒褐色。人家の軒下や山野に大きな円網をはる。日本全土に分布。
おに‐ぐるみ【鬼桃】
山野の川沿いなどにはえるクルミ科の落葉高木。高さ約25m。葉は大形の奇数羽状複葉。5〜6月に開花。核果は直径約3cm、核のなかの種子は食用。
おに‐げし【鬼粟】
ケシ科の多年草。観賞用に栽培される。高さ1m以上で、茎や葉に剛毛がある。夏に、紅・朱・桃・白などの径約10cmの花が咲く。地中海地方原産、明治時代に渡来。オリエンタルポピー。Oriental poppy
おに‐けんばい【鬼剣舞】
岩手・宮城県にみられる剣舞の一種。鬼面の者が悪霊や亡魂の鎮送を願って太刀(たち)をふるい、足踏みしながら踊る。念仏踊りの一系統。
おに‐ご【鬼子】
①親に似ない子。おにっこ。
②生まれたときに、歯がはえている子。
おにこうべ‐おんせん【鬼首温泉】
宮城県北西部、鳴子(なるこ)町にある温泉郷。特別天然記念物に指定されている雌釜(めがま)・雄釜の間欠泉で知られる。
おに‐ごっこ【鬼ごっこ】
子どもの遊びの一つ。ひとりが鬼になり、他の者を追いかけて、つかまった者が次の鬼になる。tag
おに‐ころし【鬼殺し】
悪酔いするような粗悪で強い酒。おによけ。やれいたざけ。
お‐にし【御西】
→西本願寺および→本願寺派の通称。
おにし【鬼石】
〈町〉群馬県南部、神流(かんな)川沿いにある町。農林業のほか、石材・造園業がさかん。三波(さんば)石は庭石で有名。冬桜も名物。人口8298(1994)。
おに‐しば【鬼芝】
イネ科の多年草。海浜に群生し、根茎は針金状で、節々から茎をたて、細く堅い葉を出す。葉は乾燥すると内に巻いて刺(とげ)状になる。大きくて荒々しい形状からの名。
おに‐しばり【鬼縛り】
山地にはえるジンチョウゲ科の落葉低木。葉は秋にのび翌夏に落葉。本州以南に分布。早春に、黄緑色の小花が密生。果実は、夏に赤熟。ナツボウズ。
おに‐だいこ【鬼太鼓】
新潟県佐渡(さど)島の春祭りなどに行われる民俗芸能。雌雄の鬼が四輪車にのせた太鼓を打ち、2匹の獅子(しし)と踊る獅子舞。おんでこ。
おに‐たびらこ【鬼田平子】
《大形のタビラコ、の意》キク科の一、二年草。道ばたや荒れ地にはえる。高さ30〜100cm。タンポポに似た葉は茎の下部に集まる。5〜10月黄色の舌状頭花をつける。
オニチャ【Onitsha】
西アフリカ、ナイジェリア南部のニジェール川デルタに位置する河港都市。パーム油・キャッサバなど農産物の集散地。人口34.5万(1993)。オニッシャ。オニッチャ。
オニックス【onyx】
①縞瑪瑙(しまめのう)。縞模様のとくにはっきりした瑪瑙。
②同心円状の断面をもつ石灰華・石筍(せきじゅん)・鍾乳(しょうにゅう)石などの石灰岩。縞大理石。
おにっ‐こ【鬼っ子】
→おにご(鬼子)
おにつら【鬼貫】
→うえしまおにつら(上島鬼貫)
おに‐どころ【鬼老】
→トコロの別名。
おに‐のげし【鬼野芥子】
キク科の二年草。道ばたや荒れ地に多い。ノゲシに似るが大形で、葉のへりはかたいとげ状。頭花は黄色で径約2cm。ヨーロッパ原産。
おに‐の‐しこくさ【鬼の醜草】
→シオンの異名。
おに‐の‐したぶるい【鬼ノ舌振・鬼ノ舌震】
島根県斐伊(ひい)川の支流馬木(まき)川にあるV字状の谷。柱状節理(ちゅうじょうせつり)・岩畳などの奇景が多い。
おに‐の‐やがら【鬼の矢幹】
山地の樹陰にはえるラン科の多年草。茎は鱗片(りんぺん)葉をつけ、高さ約1m。塊茎の内部にナラタケの菌糸を共生。夏に、黄褐色の花を穂状につける。ヌスビトノアシ。
おに‐ば【鬼歯】
(きば)のように外向きにはえた八重(やえ)歯。
おに‐ばす【鬼蓮】
沼にはえるスイレン科の一年生水草。水に浮かぶ葉は円形で、直径0.3〜2m。葉脈上にとげがある。夏から秋に、径約4cmの紫色の花が咲く。
おに‐ばば【鬼婆】
①老女のすがたで現れる鬼。
②無慈悲な老女をののしる語。おにばばあ。
おに‐び【鬼火】
①沼地や墓地に現れるという赤や緑・青・黄色の燐光(りんこう)現象。燐火。
②九州一帯で行われる正月7日の火祭り行事。一種の厄(やく)よけ行事。鬼火焚(た)き。おねび。とんど。どんど。
おに‐びし【鬼菱】
ヒシ科の一年草。水中にはえる。ヒシに類似するが、果実は両側・腹背に4本のとげがあって、大形。
おに‐ひとで【鬼星】
鋭い毒のとげがたくさんあるヒトデ。腕は11〜16本。径約50cm。造礁サンゴを食害する。天敵はホラガイ。太平洋・インド洋の暖海に分布。
おに‐ふすべ【鬼燻】
担子菌類ホコリタケ科のキノコ。径20〜40cmの球塊状で竹やぶに発生する。初めは白色だが、のちに皮がはがれて、黄褐色の古綿状になる。若いものは食用。
おに‐やどかり【鬼宿借】
ヤドカリ科に属する中形のヤドカリ。甲長約5cm。甲の背と脚に赤褐色と黄色の横縞(じま)がある。チョウセンサザエの殻を宿貝として利用することが多い。富山(とやま)・相模(さがみ)両湾以南に分布。
おに‐やぶそてつ【鬼蘇鉄】
シダ植物類オシダ科の常緑多年草。暖地の海岸にはえる。ヤブソテツに似るが葉は厚い革質で、光沢がある。観賞用に植栽もされる。イソヘゴ。オニシダ。
おに‐やらい【鬼遣・儺】
鬼を追い払って無病息災を願う行事。古代には、宮中の年越し行事だったが、近世以降、節分の晩に炒(い)った大豆をまく民間の行事になった。その豆を年齢だけ、あるいは1つ余分に食べる習わしがある。追儺(ついな)。鬼打ち。
おに‐やんま【鬼やんま】
日本最大のトンボ。全長約10cm。体は黒と黄の縞(しま)模様。夏から秋に平地や山地の路上を往復しながら飛び、昆虫を捕食。日本全土・朝鮮半島・中国に分布。
おに‐ゆり【鬼合】
ユリ科の多年草。山野にはえ、栽培もされる。高さ約1m。葉は広線形で互生。夏に、黄赤色で紫黒点のある六弁花が開く。葉のわきに黒紫色のむかごがつく。鱗茎(りんけい)は食用。テンガイユリ。
おにわ‐ばん【御庭番】
江戸幕府の職名の一つ。若年寄(わかどしより)に属し、奥庭の掃除や遊歩中の将軍の護衛にあたる。密偵の役も果たし、諸国を探って将軍に情報を提供。庭番。隠密。
おにわ‐やき【御庭焼】
江戸時代に、大名やその家臣が城内・邸内に窯を築き、名工に焼かせた陶磁器。尾州(びしゅう)徳川家の御深井焼(おふけやき)など。
お‐ぬし【御主】(代)
《自分と同等もしくは下の者に対していう》おまえ。そなた。
おぬま‐たん【小沼丹】
(1918-)小説家。本名、救(はじめ)。東京生まれ。早大卒。静かな諦念(ていねん)をもって平凡な日常生活をさりげないユーモアで描く。作品『懐中時計』『椋鳥(むくどり)日記』など。
お‐ね【尾根】
山頂と山頂を結ぶ、山の背のつながり。ridge〈用例〉〜伝い。
おね‐あるき【尾根歩き】
登山で、山の峰から峰へ長く続く稜線(りょうせん)を歩くこと。ridge traversing
オネーギン【Evgenii Onegin】
プーシキンの韻文小説。『エウゲニー=オネーギン』。1825〜32年発表。「余計者」オネーギンと女主人公タチヤーナの恋を軸に当時のロシア社会を活写。
お‐ねえ‐さん【お姉さん】
「姉さん」を丁寧にいった語。さらに丁寧にいえば「お姉様」。elder sister
オネガ‐こ【オネガ湖】
(Onezhskoye Ozero)ロシア西部の大湖。面積9900km2。バルト海とボルガ川、白海を結ぶ水上交通路。
オネゲル【Arthur Honegger】
(1892-1955)スイスの作曲家。「六人組」の一人としてフランスで活躍。フランス的造形感覚とドイツ的な深い精神性が共存した作風。交響的楽章『パシフィック231』、オラトリオ『火刑台上のジャンヌ=ダルク』など。
オネコタン‐とう【オネコタン島】
(Ostrov Onekotan)ロシア、サハリン(樺太(からふと))州東部、千島列島北部の島。面積4.5km2。温禰古丹島。
お‐ねじ【雄螺子】
はめこむほうのねじ。bolt〈対義〉雌ねじ。
お‐ねしょ【御寝小】
《幼児・女性語》子どもが夜間、就寝中に尿をもらすこと。夜尿症。寝小便。bed-wetting
オネッティ【Juan Carlos Onetti】
(1909-94)ウルグアイの小説家。実存主義的作品で知られる。作品『はかない人生』『造船所』など。
お‐ねり【御練(り)】
祭りで山車(だし)・おどり屋台などの行列が、ゆっくり進むこと。
おの【斧】
小さいまさかり。木をわるのに使う。よき。axe〈数え方〉1丁。
斧の柄朽つ(おののえくつ)
《晋(しん)の王質(おうしつ)が木を切りにいった山の中で、仙童が碁を打つのを見ていたが、1局が終わらないうちに斧の柄がくさっていたという故事から》わずかな間と思っているうちに、長い年月を過ごしてしまうたとえ。面白さに時のたつのを忘れることのたとえ。
おの【小野】
〈市〉兵庫県南部、加古川中流の市。そろばん・家庭用刃物などの伝統工業がさかん。人口4万7466(1994)。
おの【小野】
〈町〉福島県東部、阿武隈(あぶくま)山地にある町。タバコ栽培・酪農などがさかん。人口1万3581(1994)。
おの【己】(代)
〈古語〉
①わたくし。おのれ。〈用例〉故母御息所(みやすどころ)は、〜が叔父(をぢ)にものし給ひし按察(あぜちの)大納言の女(むすめ)なり(源氏・須磨)。
②自分自身。おのれ。〈用例〉鴨すらも〜が妻どち求食(あさり)して(万葉・12・3091)。
己が頭の蠅を追え(おのがあたまのはえをおえ)
→自分の頭の蠅を追え」と同意。
己が様様(おのがさまざま)
めいめい。自分かって。己が向き向き。
己が向き向き(おのがむきむき)
→己が様様(さまざま)」と同意。
おのあし‐るい【斧足類】
→にまいがいるい(二枚貝類)
おの‐あずさ【小野梓】
(1852-86)法学者・政治家。高知県生まれ。大隈重信(おおくましげのぶ)を助け、立憲改進党の結成や東京専門学校(現在の早大)創立につとめた。著書『国憲汎論(はんろん)』など。
お‐の‐え【尾の上】
山の高い所。山のてっぺん。山頂。頂上。
おのえ【尾上】
〈町〉青森県南西部、弘前(ひろさき)市東隣の町。米・リンゴの産地。猿賀(さるが)神社の大祭は有名。人口1万0337(1994)。
おのえ‐きくごろう【尾上菊五郎】
歌舞伎(かぶき)俳優。現在7世まで。屋号音羽(おとわ)屋。尾上家宗家。初世(1717-83)は江戸へ下り、女方(おんながた)から立役(たちやく)に転じた。3世(1784-1849)は文化(ぶんか)・文政(ぶんせい)期の江戸の名優。怪談物を「家の芸」とした。5世(1844-1903)は幕末から明治期の名優。9世市川団十郎(いちかわだんじゅうろう)とともに「団菊」と並称された。「新古演劇十種」を制定。「音羽屋の型」を確立。6世(1885-1949)は近代歌舞伎を代表する名優。初世中村吉右衛門(なかむらきちえもん)と「菊吉」時代を現出。舞踊・新作にもすぐれた。日本俳優学校創立。昭和24年(1949)文化勲章受章。
おのえ‐さいしゅう【尾柴舟】
(1876-1957)歌人・国文学者・書家。本名、八郎。岡山県生まれ。東大卒。「あさ香社」に参加、のち『水甕(みずがめ)』を創刊主宰。歌風は平明高雅。仮名の名手。歌集『静夜』『永日』、著書『平安朝時代の草仮名の研究』など。
おのえ‐しょうろく【尾上松緑】
歌舞伎(かぶき)俳優。現在2世まで。屋号音羽(おとわ)屋。初世(1744-1815)は文化(ぶんか)期江戸の名優。4世鶴屋南北(つるやなんぼく)と組んで怪談物を完成。2世(1913-89)は世話物を得意とする。舞踊は4世藤間勘右衛門(ふじまかんえもん)を襲名。重要無形文化財保持者。昭和62年(1987)文化勲章受章。
おのえ‐ばいこう【尾上梅幸】
歌舞伎(かぶき)俳優。現在7世まで。屋号音羽(おとわ)屋。初世〜5世は尾上菊五郎(きくごろう)の俳名。6世(1870-1934)は大正〜昭和前期の名女方(おんながた)。生世話(きぜわ)物・怪談物を得意とし、舞踊劇にもすぐれた。7世(1915-95)は女方。舞踊にすぐれ二枚目も得意。重要無形文化財保持者。
おのえ‐まつすけ【尾上松助】
歌舞伎(かぶき)俳優。現在6世まで。屋号音羽(おとわ)屋。初世(1744-1815)は大坂の人。4世鶴屋南北(つるやなんぼく)と組んで怪談芝居に活躍し、敵役を得意とした。4世(1843-1928)は脇役(わきやく)の名優。
おのえ‐まつのすけ【尾上松之助】
(1875-1926)映画俳優。岡山県生まれ。日本最初のサイレント映画時代劇スター。愛称「目玉の松ちゃん」。主演作『自来也(じらいや)』『荒木又右衛門(またえもん)』など。
おのえ‐やなぎ【尾上柳】
ヤナギ科の落葉高木。山野にはえる。高さ5〜10m。葉は長皮針形で互生。雌雄異株(いしゅ)。雌花はやや細長い円柱状で細毛のため灰白色となる。カラフトヤナギ。
おの‐おの【各・各各】
[一](名・副)めいめい。ひとりびとり。各自。each; every; everyone
[二](代)多数の人に向かって呼びかける語。みなさん。〈用例〉いかに〜。
おのおの‐がた【各方・各各方】(代)
多数の人に向かって敬意を込めて呼びかける語。多く、武士が用いた。みなさん。あなたがた。
おの‐おれ【斧折】
カバノキ科の落葉高木。雌雄同株(どうしゅ)。山地にはえる。高さ15m前後。樹皮は暗灰色。花は円柱状花序。材質が堅いのが名の由来で、建材や炭の原料となる。オノオレカンバ。アズサミネバリ。
おの‐が‐じし【己がじし】(副)
めいめいに。思い思いに。
おのがつみ【己が罪】
新派(しんぱ)脚本。菊池幽芳(きくちゆうほう)原作。明治33年(1900)初演。人妻が若き日の過ちを夫に告白、最後に円満な生活を取り戻す。
おの‐がどう【小野鵞堂】
(1862-1922)書家。静岡県生まれ。上代仮名の研究を通じて平明な書を広め、鵞堂流といわれた。
おのがみ【小野上】
〈村〉群馬県中部、渋川(しぶかわ)市北隣の村。コンニャク・シイタケ栽培、養豚がさかん。人口2333(1994)。
おのがわ‐おんせん【小野川温泉】
山形県南部、米沢(よねざわ)市にある温泉。大樽(おおたる)川沿いにあり、小野小町(おののこまち)の発見と伝えられる。
おのがわ‐きさぶろう【小野川喜三郎】
(1758-1806)江戸中期の力士。本名は川村喜三郎。近江(おうみ)の人。第5代横綱。入幕在位16年で144勝13敗。谷風(たにかぜ)との対戦が人気を呼ぶ。
お‐の‐こ【男】
〈古語〉
①おとこ。〈対義〉おみな。〈用例〉下戸ならぬこそ〜はよけれ(徒然・1)。
②男の子。〈用例〉女(むすめ)どもも〜どもも(源氏・玉鬘)。
③しもべ。下男。〈用例〉家に使はるる〜ども(竹取)。
おのこ‐ご【男の子子】
①男の子。男児。
②男性。男子。
おの‐ごへい【小野五平】
(1830-1921)将棋棋士。12世将棋名人。阿波(あわ)の人。天野宗歩(あまのそうほ)に師事、明治31年(1898)民間人として初めて名人となる。門人千余人といわれる。
おの‐させお【小野佐世男】
(1905-54)漫画家。横浜市生まれ。世相を反映した漫画で知られる。
おのさと‐としのぶ【小野里信】
(1912-)洋画家。桐生(きりゅう)市生まれ。「オノサトトシノブ」で知られる。幾何文様的意匠の抽象画を描く。
おの‐ず‐から【自ずから】(副)
①あったままに。ひとりでに。自然に。naturally
②{古語}
(ア)かならず。きっと。〈用例〉かくても、〜若宮など生(お)ひいで給はば(源氏・桐壺)。
(イ)たまたま。〈用例〉〜都にいでて、身の乞丐(こつがい)となれることを恥づといへども(方丈記)。
(ウ)もしも。万一。〈用例〉〜平家の御事悪(あ)しざまに申す者あれば(平家・1・禿髪)。
おの‐ず‐と【自ずと】(副)
自然に。おのずから。naturally
おの‐せいいちろう【小野清一郎】
(1891-1986)刑法学者。岩手県生まれ。東大卒。東大教授。客観主義刑法理論を展開し、第2次大戦後は刑法改正に尽力。昭和47年(1972)文化勲章受章。著書『法理学と文化の概念』など。
おのそっき【(株)小野測器】
電気機器。計測機器メーカー。昭和29年(1954)設立。本社は神奈川県横浜市緑区白山。
おのだ【小野田】
〈市〉山口県南西部、周防灘(すおうなだ)に臨む市。工業都市で、セメントの町として有名。炭鉱都市として栄えた歴史をもつ。人口4万6028(1994)。
おのだ【小野田】
〈町〉宮城県西部、鳴瀬(なるせ)川上流の町。稲作を中心に、畜産・林業などが行われる。人口8872(1994)。
おのだセメント【小野田セメント(株)】
明治14年(1881)に設立された日本最初の民間セメント会社。平成6年(1994)、同10年(1998)の合併で太平洋セメントとなる。
おの‐ちくきょう【小野竹喬】
(1889-1979)日本画家。岡山県生まれ。本名、英吉。洋画手法をとり入れた風景画で有名。昭和51年(1976)文化勲章受章。
おのづか‐きへいじ【小野塚喜平次】
(1870-1944)政治学者。新潟県生まれ。東大卒。東大教授・総長。ドイツ流の国家学から政治学を学問的に独立させ、日本近代政治学の基礎を築く。大学の自治擁護にも積極的に行動する。著書『政治学大綱』など。
おの‐づくり【旁】
漢字を組み立てている部分の名。「所・断」などの右にある「斤」。